- 2009-08-03 (月) 13:35
- 劇場映画
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※たぶんネタバレというほどではないと思います。
最後だけ。
最後にもう一つ何かが欲しかった。
言葉でも表情でも音楽でも、何でも。
それ以外はほぼ完璧。
新たな人や音楽との出会いを通じて、新たな世界へと足を踏み入れる。
人と関わり合うことによって、言葉が生まれ、表情が生まれる。
多くのものを得る喜びと同時に、それらを失うときの悲しみを知る。
凝り固まった自らの人生を解きほぐし、自由に楽しむことを教えてくれた青年。
その彼が危機に瀕したとき、あらゆる手を尽くして救おうとしたのは恩返しか、正義感か、それとも必要としてくれることへの喜びか。
長く封じ込めていたであろう様々な感情を、思い出すように少しずつ外へ出し、ついには爆発させる。
その過程がいかにも人間臭く、人のための怒りがどれほどの力を生み出すか、思い知らされた気がした。
「音楽に国境はない」ということを、その使い古された言葉を使うことなく、自然な形で示してくれる。
ピアノとジャンベの対比が印象的。
この映画の大きなテーマとなっているのが、「移民」だ。
正直、移民に関する問題について、僕はまったくと言っていいほど知らない。
「人種の坩堝」という言葉を教科書で見たことはあるし、9.11以降極端に厳しくなったということも、情報としては聞いたことがある。
でも、その当事者たちがどのような状態で生活を送っていて、実際に捕まったり送還されたりする人がどれくらい居るのか、そしてその人たちはその後どうなって、そうならないためにはどんなことをしなければならないのか、僕にはさっぱり分からない。
もしそのあたりのことを実感として理解していれば、映画自体の見方も変わっていたと思う。
ただ、何も知らない僕でも、移民という問題がアメリカという国には今でも大きく横たわっていて、それは相当に複雑で深刻で理不尽な問題である、ということはよく分かった。
そして、アメリカ国内でも、当事者以外は無関心で何も知らない、ということも。
人は人に必要とされるからこそ喜びを感じ、悲しむこともできる。
感情、感動、いわゆる「心」と呼ばれる部分を、とても丁寧に描いた良作。
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